初動負荷トレーニングを開始して1年ほど経過したが、自身の以前のキャリアであるパワーリフティングとの融合を最近考えるようになった。トレーニング法に「絶対」は無いわけで、スポーツ界で高評価である初動負荷トレーニングにも弱点はあるのだと考えている。だが、このトレーニングの弱点を暴き出そうなどとは考えておらず、パワーリフティングのトレーニングといかに融合できるだろうかという命題を自らに突き付けてみた。
すでに10数年前のことだが、ケトルベルの講習会に参加した時のことだ。講師は日本国内のケトルベル第一人者だったが、ウエイトトレーニングを真っ向否定していた。本人に直接聞いたわけではないが、彼のブログの中で、ベンチプレスなどの記録を伸ばしてもケガするだけで、競技に活かせない、よってベンチプレスは役に立たないと結論付けていた。その弟子の空手家も彼自身のブログの中でベンチプレスが正拳突きを強くするのに役立たなかったとベンチプレスを糾弾していた。
ケガをしたのはベンチプレスが悪いのではなく、その正しいやり方を知らなかったのであり、正拳突きの威力が増すことがなかったのは正拳突きの動きとベンチプレスの動きが同一ではなく、特異性の原則を知らなかっただけと言える。
自分自身、パワーリフターとして長年研鑽を積んできた立場として、そのトレーニングがどれだけ基礎体力を伸ばしてくれるかを実体験として理解している。ただ、トレーニング自体はパワーリフティングのためのトレーニングであり、私が採用していたトレーニングルーティーンをこなしても、その人の競技力向上に役立つとは考えにくい。
さて、これからどのように初動負荷トレーニングとウエイトトレーニングを融合させていくかについては、まずは双方のトレーニングを行うことだ。頭の中で考えていても結論は出ない。結論が出たとしても全くの持論で終わる可能性もある。
今考えていることは、ウエイトトレーニングの後に初動負荷トレーニングを行うというもの。ただ、これはボディビルジムと初動負荷トレーニングジムが併設でもしていない限り無理な話。よってウエイトトレーニングを実施した翌日に初動負荷トレーニングを行うことで、硬化してストレッチだけでは足りない筋肉や関節に初動負荷トレーニングで刺激を入れて柔軟性を取り戻す。このやり方の効果の程は自身の感じ方によるものとなってしまうだろうが、たくましさと柔軟性を兼ね備えた筋肉と動きの獲得ができそうな気がしてきた。
