トレーニング日誌を読み返す 2

前回書いた須江君の件だが、彼は3,4年時に全日本学生選手権を連破していたことが分った。偉業と言えば偉業だが、しかしながら入部してきた時にすでに3種目の重量は初心者のそれでは無かったのに、パワーの試合で勝ち負けの争いを見た記憶が無い。デッドリフトだけは自信があったようで、関東パワーの時に「先輩、今日は250引きますよ」などと豪語していたが、ビクともせず。パワーリフティングの難しさと奥深さを感じたことだろう。

さて、前回は1年生の9月から3月末までの記録の変遷表を載せてみた。見る度に低レベルな内容に恥ずかしくなるが、ボディビル大会を目指していたせいか、それほど気にならなかった。

さて、以下の表は前回の続きで、2年生の年度末から3年生時(1985年度)の主な記録変遷である。2年生時は10月末の新人戦に向けて84キロから70キロまで減量したため、記録の伸びはほぼ無い。減量の仕方を間違ったようで、元気のない日常が続いた。今思えばプロテインをもっと多目に摂取すべきであったと思う。当時の食事内容が日誌に書いてあるが、よくあれっぽっちの量で激しいトレーニングが出来たものだ。若さゆえ?

新人戦が終わり、東日本大会があったのだが、こっちはどうでもよくなったので、食事を大会前のに戻したが、それほど太るでもなく、拍子抜けしてしまった。その東日本大会はあのそうそうたる参加選手の中で予選を突破し、27位あたりでフィニッシュした記憶がある。優勝は確か神奈川大の岩間さんで、2位は東京大学の江口さんだった。あの3位は誰だったか忘れてしまったが、たぶん東京大学の酒井さんだったかも知れない。

それから半年後の5月にスクワット160キロを達成。大会前は130ぐらいでヒーヒー言っていたので、30キロ増となったわけだ。実は東日本大会後辺りから重量挙部の練習場で公式の20キロバーを使わせてもらうことができるようになり、ある程度しなりを使ったスクワットは非常に気分の良いモノで、日誌を見るとベンチプレスの日にもスクワットを行なったりしていることがわかる。「毎日スクワット」は重量挙部の平仲さんから勧められた手法だが、つぶれない程度に回数を抑え、余裕を残して毎日スクワットを行うというもの。高回数のスクワットは脚が張るだけで強くならない、と言われたのがきっかけで、その時以来5回以上のセットをすることがなくなった。

そのスクワットは3年の秋(10月15日)には170キロまで記録を伸ばした。意外なことに、瞬発力もやたら伸びていて、サージャントジャンプは75センチぐらい飛んでいた。脚もそこそこ速くなり、スクワットの取り組みで、遅い脚で瞬発力もそこそこの自分がここまでになれるものだと感心してしまった。

ベンチプレスの伸びも順調だった。調子が悪い時に回数を無理やりこなしてしまう傾向のあったトレーニングはやめて、その日にできるレベルのトレーニングを地道に行うだけだった。1回あがる重量を追うのではなく、できる回数をなんとかキープして多セット行うトレーニング内容が功を奏したのか、ベンチプレスは1年で20キロほどの上乗せとなった。122.5キロ。

不思議なのはデッドリフトだ。 デッド自体は5月12日には210キロを引いている。フォームはおそらく相撲スタイルのはずだが、特筆すべきは試合で引いているということ。スクワットをほぼ毎日行うことがデッドにも良い影響を与えていたと言えるが、 練習ではフォーム重視とは言え、それほどマックスに近い重量は触っていない。また「スナッチ式?」と備考欄に書いてあるように、デッドリフトはすべてスナッチスタイルで行なっていた。だが、10月2日に「DLスナッチ式開始」らしき記述が日誌にある。生まれてこの方デッドを一所懸命トレーニングした記憶が無く、最高記録は245キロほどに留まった。

面白いのはミリタリープレス(MP)である。肩のトレーニングは軽い重量でパンプアップさせるトレーニングが主流だったが、回数を行うと筋力向上に効果は無く、回数を減らしてセット数を多くこなす手法に染まっていった。低回数多セットが肩には良かったのか、3年生時には80キロを2回押せるようになっていた。もちろんスタンディングで、多くの場合はクリーンしてからのプレスであった。

さて、見よう見まねでやりだしたハイクリーンだが、どうせやるならと相当の時間をフォーム修得に費やした。今思えば相当力任せのハイクリーンであり、たまに失敗して、ロークリーンになってしまった。ハイクリーンは他の種目と違って3本できたらその10キロ上ができるという法則は全く通用しない種目で、100を3回5セットだと115ぐらいは行けそうだなと計算上はかんがえるのだが、その重量のバーベルの前に立つと足がすくんだものだ。重量の数字の威力の凄さを思い知ったのである。

結果、スクワット170、ベンチプレス122.5m、デッドリフト210、ミリタリープレス80キロ(2回)で上がりの3年生だった。

月日SQBPDLMP備考
3/4 105   
3/5140×3×3    
3/7   60×3×5 
3/8130×5×7    
3/12 100×4 65×2×3 
3/13140×3×6    
3/19 100×3×2   
4/11 105   
4/15 110   
4/22 110   
5/1150×1×5    
5/2140×2×5    
5/4 110   
5/6160112.5   
5/7   70×1×2 
5/12160110210 関東パワー
5/14   75 
5/18  160 スナッチ式?
5/20 100×6 65×3×7 
5/23 115 70×2×6 
5/24   77.5 
5/28   65バックプレス
5/31   70×3 
6/3 100×4×2   
6/4   60×4×6 
6/5140×3×10    
6/6   60×5×2 
6/10    チンニング16発
6/13 100×4×3   
6/15  160×3×2 スナッチ式?
6/17 100×5×3   
6/19150×3×2、2×2    
6/26  150×3×10 スナッチ式?
7/15 100×7   
7/16140×5×5    
7/20   60×5×10 
7/24140×5×7    
7/25 100×5×5   
8/1   60×5×10 
8/2140×8    
8/10   70×3×5夏合宿中
9/5150×3    
9/7  160×2×5 スナッチ式?
9/9 105×3×2、2×2   
9/17150×2×10    
9/21   75×1×2 
9/24 110×3   
9/30 105×3×5 75×2 
10/1150×3×3    
10/2 110×2×5   
10/5  160×3×580スナッチ式?
10/7 120  10
10/8165    
10/11150×3×6110×3×6   
10/15170    
10/16  170×3 スナッチ式?
10/20170110210 関東学生
10/24    DLスナッチ式開始
11/5  200  
11/7 122.5   
11/11 110×5、4、3   
11/14 100×10   
12/10   65×5×7 
12/14    100ハイクリーン
12/23 112.5×3×5   
12/26 100×6×4   
1/9   70×5 
1/10    90×5インクラインベンチ
1/16 102.5×5×5   
1/18   75×2×5 
1/20 102.5×5×6   
1/21   70×3×8 
1/27 110×4×3   
1/29   70×5×3 
1/31 110×4×4   
2/5    90×3×3ハイクリーン
2/6 110×4×6   
2/12    90×3×5ハイクリーン
2/18 115×3×5   
2/19   75×3×5 
2/24155×3×2    
2/26    100×2×5ハイクリーン
2/28 120×2×5   
3/1   80×290×3×8
3/8 122.5  115ハイクリーン
3/11 110×5×3、4×2   
3/17    100×3×5ハイクリーン
3/25 115×3   
3/31 107.5×5×3   


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