日本語教師という新たな選択

ある日、ある夜テレビをつけた時「若い時にやっておいてよかったこと、やっておかないで後悔したこと」という番組のコーナーに出くわした。その中で70歳ぐらいの男性が退職後に日本語教師になり、年金受給と教師としての収入で生活されているということを知った。年金と云々の部分はどうでも良いんだが、この「日本語教師」を何年振りかに耳にして、数十年前に代々木駅近くの日本語学校を見学したことを思い出した。当時は海外旅行に邁進していた時期で、海外就労する際に何か安定した職業はないものかと探していた中のひとつだった。その学校で見聞きしたことは忘れてしまったが、現状就職に迷っていることもあって、日本語教師も良いかも?という新たな気持ちが芽生えてきた。 そうなると鉄は熱いうちに打てって話で、早速日本語教師の学校を検索。最上位に出てきた学校なら安心だろうと思い、特に他の学校と比較もせず決定!数日のうちに手続きを済ませ、すでに「日本語教育学入門」の単元の視聴を終えている。 420時間のカリキュラム(映像視聴)をこなし、科目ごとにオンライン授業を受講し、蚊まとめのテストを名古屋校にて受験し、60%以上のスコアでクリアという労苦を13科目続けることになる。各科目は7程あり、それぞれ3時間の長丁場。ボーっと聴いていただけではダメだなと感じた。 10月に試験があるのだが、実は日本語教師は今年4月から国家資格化されたようで、今年がその初めての試験となる。自分が受験数するのは2025年になりそうだから、国家資格化開始後2回目の試験となるはず。第一回目の試験のあり様を学校がさまざま分析して、こちらにフィードバックしてくれることが期待される。 さて、日本語教員というと何をイメージするだろうか?日本語話者ではない外国人に日本語を教える仕事であることは明白。日本語が母国語である日本人であれば、そう難しいことではないだろうと思う人が殆どだと思うが、さまざま聞いた話では、ぼくら日本人の想像を超えた質問が寄せられるらしく、実際にそれをモチーフにした漫画なども世に出ているそうだ。 また、自分が受け持つクラスに中国人と台湾人、ロシア人とウクライナ人、ベトナム人と韓国人がいる場合、過去の歴史はもとより、現在ぞれぞれの国家間で起きていることについても深く理解しておく必要があり、自分のクラスが国の批判合戦の場と化してしまうことは避けなければならない。ベトナムと韓国について、何も思い浮かばない人は勉強不足です。 加えて、日本語を学ぶ外国人が皆日本が好きで日本文化に興味がある人ばかりではないと云うこと。兄弟が既に日本で働いていて、追って来日。自国に近いし、治安の面でも安心だから。そういう外国人を相手にするのである。自身が単なる日本語を教える教師という立場のみならず、日本のアンバサダーであるという自覚を持つことが肝要であると言えると思います。 この教師という職業は自分自身を成長させることにも寄与するのではないかと内心感じている。常々外国人に向き合う仕事をしたいと考えていたが、退職後に再びその端緒となる番組に出逢ったのだ。もし、あの番組を観なかったら、今の自分は無いのだと思うと、何やら良い意味でゾッとするのである。 熱しやすく冷めやすい九紫火星の自分。冷めないでとろ火でこれからの学習に挑んでいこうと思います。火が消えないでいれば、必ず思いは成就するものと信じて頑張ります。