地獄の夏合宿 その3

午前中のウエイトトレーニングはマシーン類が皆無であるため、バーベルとダンベルのみを使ったトレーニングとなった。最初はベンチプレス班が3班、スクワット班が3班程で、それぞれ5,6人の編成。インターバルが長くなるため、トレーニング自体はきつくは無かった。だが、どんな種目を行うかは各班の班長に委ねられていたため、アイデアの乏しい班長の班は、それでもウエイトトレーニング?と思えるような種目をさもきつそうに行なっていた。

午前中のスケジュールが終わると宿に帰って昼飯。それぞれゾロゾロ歩いて帰るものだと高を括っていたが、統制の先輩を先頭に、ほぼダッシュで宿まで帰る始末。こんなのが中日挟んで6日もあるのか・・・と愕然とした。

さすがに昼飯後はしっかり昼寝が出来た。後から聞いた話だが、親睦団体(五武道会という名)の同級生らの部では「御用聞き」として、始終先輩の部屋のお世話をしなくてはならず、昼寝など夢のまた夢。ボディビル部は恵まれていたのだ。

さて、しっかり休養を取って午後のトレーニング。これはほぼ土曜日に行なっているメニューをボリュームアップさせた内容。現地の気温は35度前後で、よくぞ熱中症で誰も倒れなかったと思う。

初日のメインは「スローランニング」。宿から1キロほど離れた小学校のトラックをお借りして、部員全員がスローペースでトラックを走るのだが、1時間も走っただろうか。これで終わりで休憩かと思いきや「次はひとりずつダッシュして列に追いついたら次の奴がダッシュ。これを全員終わるまで!」と統制の先輩。上級生が先に走るのだが、下級生の前でだらしない姿を見せまいと必死に走る先輩たちの様子を見て、戦々恐々な1年生だった。

全員走り終わった時に、1年生の誰かが余分なことを口走った。「ああ、終わった」と。それを聞き逃さなかった統制の先輩は、眉間に皺を寄せて、人数を数え始めた。すると、「じゃあ次。4名1組でダッシュ。ビリの奴は終わってから1人でダッシュ。」と吠えたのだ。これにはさすがに上級生からも「ええ!」という表情。この4人ダッシュ、障害あれほど一所懸命走ったことがないくらいに走ったと記憶しているが、順番は記憶に無い。その後一人で走らなかったからビリにはならなかったのだろう。

事件がなかなか起きませんね(笑)