地獄の夏合宿 その6

読まれている方々は期待されているかと思いますが、第2の事件については目にしていないんです。後になって先輩から聞いた話で、1年は皆で「えええ」というリアクション。初日にあったように、主将M山先輩のほとばしる叱責があったのでしょう。

事の詳細を書きますと、当該部員は2年生の先輩でした。同じ学年の先輩の話では、玄関からではなく、部屋の窓から、あるいはトイレの窓から逃げたと聞きました。1年生ながら不思議に感じたのは「どうして全日程をクリヤしておきながら、最終日、それも打ち上げが終わった後に脱走?」というもの。すでに30年以上経過した今言えるのは、部を辞めるということを言わないで部を去るためのひとつの手段なのではなかったかということ。決して、初日に脱走した奴の理由とは違っていたのだと思います。

その先輩が部員と一緒に観光バスで帰京したかどうかは全く記憶にありません。たぶん、その時は「脱走」の事実は公になっていなかったと思います。東京へ戻ってから知らされたのだと思います。

記憶が曖昧なことをツラツラ書いていても仕方ありません(笑)

さて、バスは無事、飯田橋の体育館に到着。器具類を地下1階のトレーニング室に運び込み、従前のように配置して終了。これでやっと8泊9日の合宿全行程が終わったのでした。

ふと、体重を図ってみましたが、なんと3キロ増えていました。機器が壊れているのではないかと思ましたが、3キロ増は本当のようで、たまたまそばにいた4年(統制)のS本先輩が「お前、今回の合宿で体重増えたんか?全く化け物みたいな内臓してるな!」と呆れ顔。それを地上階で整列していた部員に吹聴するものだから、こっちは有難迷惑。適当にサボってトレーニングしていたと思われないかと思い、冷や冷やモノだったのです。

まあでも、先輩の中には真面目に「お前、身体強いよな」と正直に褒めてくれる人もいて、この合宿で根拠のある自信を得たのでした。