大雨の日の日曜日。その大雨の間隙をついて近所のとんかつ屋へ。大きいエビフライをどうしても食べたい気持ちが抑えきれず、雨合羽を着てもそこそこ濡れて店に到着。いやはや、持って行ったタオルを2回絞らなければならないほどの濡れ具合い。いや、タオルが雨でぬれていたので身体が濡れた程度は大したことは無かったのだろう。
幸い帰宅時には雨が上がり、蒸し蒸しとした空気が漂っていたが、自転車で走ると意外と涼しく感じた。家には9時半頃に到着したが、9時から放送の番組は途中からになるのでやめにして、NHKのニュースを流していた。特に真剣に観ていたわけではない。
番組が変わった気がしたので、ふと見るとWBCの前監督である栗山氏のメモについての番組だった。ダルビッシュや大谷をチームに入るよう直談判に行った時のことなどを、栗山氏の側近の証言を交えての番組。所謂NHKらしい番組構成。
ただ、自分が一番注目したのは、栗山氏のWBCに対する構えだ。とかくスポーツの世界は、「先のことは考えないで、目の前にある試合を一戦一戦戦っていくだけです」という文言が派手に飛び交う日本のスポーツ界(プロアマの区別なく)のように自分には思えるのだが、彼は優勝するシーンを最初に思い描き、そこから逆算してチーム作りをしていた点だ。
加えて、「四球」というモノに対する考え方の興味深さ。今大会に限ったことではないかもしれないが、点を取られ逆転されるケースのほとんどが「四球」からだと栗山氏は言う。確かに、高校野球を観ていても、制球力のある投手であっても四球や、守りの硬いチームであってもエラーや、そういうミスから瓦解していくものなのだと再確認。
さて、前段の「逆算してチーム造り」に話を戻す。今自分は再就職のために奔走(と言ってもパソコンで「応募」のボタンを押すことに終始しているが)している最中だが、面接で「頑張ります」では到底ダメだろうと感じている。それが確信となったのはこの番組のおかげである。自分がトレーナーとして日々働く中で、毎日のトレーナー業を精一杯やる、ということだけでは足りないのだということ。いくら50代後半の年齢と言えども、数年後にはどうなりたいかをイメージし、そこから逆算してトレーナーとして働くという覚悟が無いと、いくら資格所持者だとはいえ、この年齢のオジサンを雇用しようという気持ちにはならないだろう。
現在就活をされている多くの大学生にも言えることで、入社したい一心で美辞麗句を並べることに齷齪するのではなく、その会社に入って自分が数年後にどうなっていたいかをイメージし、そこから逆算することで本当の意味での志望動機が見えてくるのではなかろうかと思う。自身の前職は母校の私大職員だったが、大学4年の自分には、その「逆算」という考え方が無かったと、今更ながら悔やむのはあまりにも時すでに遅しと言える。
そう言いながら、自分が数年後にトレーナーとしてどうなっていたいかをイメージした時、確固たるものが浮かばないというのが正直なところ。平均寿命を考えた時、あと何年働けるのかをも考えると、時間はそう多くは残っていないはず。面接まで1週間ほどとなった今日、あらためてトレーナーとしての数年後の自身の姿をイメージし、鮮明化させるのが急務と思う。